2019年10月の記事
歯科矯正・マウスピース矯正について
今までの矯正治療は、歯にブラケットを取り付け、そのブラケットにワイヤーをつけてお互いの歯の力によって(固定源は大臼歯)前方の歯を動かすという移動方法でした。
ただ、「ワイヤーが気になる」「痛みが嫌だ」など矯正をしたくても迷われていた方が多かったと思います。
しかし、現在ではマウスピース矯正・インプラント矯正ができるようになり、人目を気にせずに歯を動かせる時代になりました。
この方法は、口腔内を傷つけず快適な装着感で痛みが少ない利点があります。
今回は、マウスピース矯正について説明します。
マウスピース矯正はある程度のデコボコの歯並びを矯正する、また過去に矯正をしていて後戻りをしてしまった方に向いていると言われています。
重度の不正咬合の場合はワイヤー矯正となることも多いので、矯正にご興味のある方は歯医者さんとしっかりと相談してみてくださいね。
ただ、マウスピース矯正は虫歯のリスクが高くなります。
矯正の専門医の先生(一般の歯科診療をされない場合もあります。)に通われながら虫歯の治療に来られる方もおられます。
しかし‟虫歯“も歯並びが崩れる原因になります。
“ご自分でしっかり歯磨きをすること”、それから“数ヶ月に1度は歯医者での歯石をとってもらうなどの定期クリーニング”はとても重要です。
また、インプラント矯正をするにも骨がとても大事なので、歯周病等にも気をつけなければなりません。
とにかく、どんな治療においても‟歯磨き“がとても大事!!
虫歯や歯周病にならないように歯磨きをしっかり行い口腔内を清潔にしておきましょう。
マウスピース矯正
皆さんのお仕事などの状況においては、日によってはなかなか20時間のマウスピースの装着は難しい場合もあるかもしれません。
そこは一緒に考えて行きましょう。
患者さんの生活状況を考えることは、矯正において大事なことなので、不安があるのであればご遠慮なくご相談ください。
マウスピース矯正のメリット
⦿金属をつける必要がなく、透明で日常生活において目立ちにくいという利点があります。
⦿矯正治療をする前に、おおよその仕上がり状態・治療期間がわかります。
⦿金属アレルギーの方・セラミックが入っている方でも治療できます。
⦿取り外しが可能ですので、ご自分でも歯磨きなどのメンテナンスができます。
⦿通院頻度が少なく、忙しい方にも利用できます。
⦿虫歯の治療が平行してできます。
マウスピース矯正のデメリット
⦿食事・歯磨き以外は出来るだけマウスピースの装着をしてください。
1日20時間ほど装着しないと治療期間が延びてしまいます。
「20時間ほどの着装を習慣化すること」が治療成功に導く一番の近道なので、患者さん自身の自己管理をお願いします。
⦿重度の不正咬合の場合はワイヤー矯正となることが多いです。
⦿糖分の入っている飲み物を飲むときは、虫歯になりやすいのでマウスピースを外して飲み、その後うがいや歯磨きなどをしてください。
食後も同様です。
虫歯のリスクが高まります。
⦿色のついた飲み物(コーヒーなど)を飲むと変色します。
⦿1週間から2週間ごとに新しいマウスピースへ移行します。
⦿忙しい方・遠方の方・通院が難しい方でも矯正が可能です。
⦿健康保険の適用ができない点をご了承ください。
≪治療の流れ≫
1. カウンセリング
2. 診断(X線など)治療計画
3. 歯列、噛み合わせの型取り
4. マウスピース矯正装置の作製
5. マウスピース矯正装置の装着(治療開始)
装着してから、1週間目・2週間目の装着状態を見せて下さい。
その後は一か月に1度の間隔で経過を見てゆきます。また、マウスピースは1~2週間で新しいものに交換します。
6. 治療終了
7. 保定装置(リテーナー)の装着
8. 治療が終わると歯が後戻りしやすい為に保定装置を入れてもらいます。
(2年ほど)
インプラント矯正については、また次回にご説明いたします。
(2019.10.07[Mon])